★話し言葉の「5定」を大切にしたい [5S・5定]
2,3日前の震災関係TV報道画面で、あるコメンテータ(?)が発した言葉が気になった。
それは「地震の時、津波が来るかどうかは揺れる時間の長さで判断できる。揺れが短い時は津波が来ないが、揺れが長いと津波が来る・・・。』、そんな発言だった。
これを聞いて、私はこの無責任極まりない話に憤りを感じていた。
揺れが長いか短いか、そんなこと何をもって判断するのか?
長いか短いか、そんなこと感じる人によっても違うし、立っている地盤や住まいの構造によっても違うかもしれないじゃないか!
また、長い短いのボーダー、基準はどこにあるのか?!
私は以前、ある企業で『5定のすすめ』というテーマで講演したことがあったが、その時の内容で『話し言葉にも5定がある』と語っている。
上述のコメンテータの話は、まさにこの『5定』の中の『定量』の欠如であった。
その昔、企業のTQC基本スローガンの一つに『事実・データ』があった。
当時のTQC推進トップ製作所長は、定性的な話はもとより“あいまい言葉”を決して許さなかった。
特に、品質管理部門とその管理者に対してはことのほか厳しかったことを覚えている。
現在某企業の品質保証部長をやっている当時の私の配下とともに、いつも厳しく指導されたことを覚えているが、特に品質管理を標榜する管理者だけでなく技術スタッフに対しても、およそあいまい言葉は全てチェックされた記憶がある。
決して仕事の中で長いとか短いなどの定性的な言葉は許されず、定量的な話をしても、それを裏付ける事実とデータが必ず要求された。
この時代に教えられた『ものの見方・考え方』そして『話し方』は、私はもとより当時の配下社員にもDNAの如く引き継がれていて、一流企業の重要なポストを占めている彼らの今日の活躍につながっている。
私は、その厳しい教えの中で得たことを『話し言葉にも5定があり、定位;自分の立場を考え、定量;具体的な数値で、定時;タイミング良く、定品、テーマを明確に、定質;わかり易く相手の立場で・・・』などと考え、今も与えられた場面で次代に伝えようと言い続けている。
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